Dr.みやちの人生に効く処方箋 (5)人と人をつなぐ日本の出汁文化
■人と人をつなぐ日本の出汁文化
海外滞在で恋しくなるのが日本の出汁の味。2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」ですが、その根幹を支える一つが出汁です。
甘味、塩味、酸味、苦味の4つの基本味に加え、5番目の味覚として世界で認められた『うまみ』は、昆布出汁と湯豆腐の掛け合わせから日本人により発見されました。出汁は日本の食文化や料理の美味しさとは切り離せない存在となっています。
昆布とかつおの合わせ出汁では
・満腹感を持続させ食べ過ぎの防止
・心の安定化
・冷えや凝りの予防
・疲労回復
などの効果があると言われています。
特に出汁が日本人にとって大切と考えるのは人と人をつなげる力です。
台所から漂う出汁の香りは、みんなの心を惹きつけ、出汁の効いた料理を一緒に食べれば、その美味しさに自然と笑顔が溢れます。
大人数で集まることのできない今年の年末年始は、大切な人と出汁のある食卓を囲み1年の振り返りや新年の抱負を語ってみてはいかがでしょうか?
その繋がりが、きっとあなたの人生の『うまみ』となることでしょう。
Dr.みやちの人生に効く処方箋 (4) サンゼン創業124年に寄せて
■サンゼン創業124年に寄せて
さあ、今日はサンゼンが誕生した明治29年(124年前)にタイムスリップして今の健康を考えてみましょう。
明治29年の平均寿命は、女性44.3歳/男性42.8歳で令和2年の女性87.5歳/男性81.4歳と比較すれば人生は約半分だったことがわかります。
(左図参照)
明治33年の調査で17歳男性の平均身長は157.0cm、女性は147.0cmでした。現在の男性170.6cm、女性157.8cmと比べると10センチ以上差があり、当時の人が現代人を見たらさぞかし驚いたことでしょう。
(左図参照)
この120年で医療の進歩もさることながら食生活や栄養が改善したことで我々の身体は強く、寿命も著しく延長しました。しかしこれからは一人一人が自分の健康について考えていく時代です。
サンゼンが食品スーパーに業態変更した昭和42年頃に家庭にも一般普及した体重計は、今も体の状態を知るのにとても良い健康器具です。
毎月このコラムを読んだら体重を計り、先月から大きく増減がないか確認してみてください。きっと明治の人たちが羨む健康的な生活に繋がっていくと思います。
Dr.みやちの人生に効く処方箋 (3)大丈夫!?貯金よりも大切な貯筋
■大丈夫!?貯金よりも大切な貯筋■
最期まで自分らしく過ごすために筋肉はとっても大切なのです。
25歳あたりをピークに減り始める筋肉量。
訪問する在宅高齢患者さんの実に7割がサルコペニアと呼ばれる筋肉量が減少し身体機能に支障のある状態となっています。
筋肉量が少なくなると寝たきりになりやすいだけでなく、高齢者の緊急入院の約半分を占める肺炎や骨折の原因にもなります。
ふくろはぎの一番太い場所を親指と人差し指の輪っかで囲んだ時に隙間ができる方は要注意です。
※左イラスト参照
年を重ねてから筋量を増やすのは非常に大変です。
そのため若いうちから筋量が減らないようにする貯筋活動が大切になってきます。
サルコペニア(筋量減少)予防には運動とタンパク質の摂取が重要になります。
持病にもよりますが、65歳以上の方は体重あたり1g(60kgの方は60g)以上のタンパク質を摂取することが推奨されています。
自分が食べているものにどれくらいのタンパク質が含まれているのかを気にすることから始める貯筋生活はいかがでしょうか?
Dr.みやちの人生に効く処方箋 (2)見えない不安と戦う自分にご褒美を。
■見えない不安と戦う自分にご褒美を。■
みなさん、疲れがたまっていませんか?
不安や我慢が疲れの原因の1つとも言われています。
ずっと病院知らずのはずが急に調子が悪くなって・・とおっしゃる方がいます。
病気にならないことは良いことですが、中には体の不調に気づかない方もおられます。
では、見えないストレスから自分の体を守るためにはどうしたらいいのでしょうか?
・ランニングなどの運動
・お風呂にゆっくり入る
・睡眠時間を確保する
・栄養バランスを考えた食事をとる
・自分をほめる、ねぎらう
中でも僕のおすすめは自分の体を労うことです。
たまには重くなった自分の体にちょっといいものを。
僕は、疲れると良質なはちみつを摂ります。
深い甘みが疲れた体に染みわたります。
そして今自分の体のどこが疲れているのかな?と今後ずっと付き合っていく自分の体と向き合う大切な時間としています。
是非みなさんも自分の体を大切にする時間をつくってみてください。
掛川東病院 院長 医学博士 宮地紘樹
Dr.みやちの人生に効く処方箋 (1)人生100年時代に自分らしくいられるために!
■人生100年時代に自分らしくいられるために!■
とうとう人生も100年以上の時代が到来。長いですね~。
人生の最期は「ぴんぴん、ぽっくり」がいい!と話す方が多いです。
では実際にどれくらいの方が「ぴんぴん、ぽっくり」いけるのでしょうか?
A:5% B:25% C:55%
答えは・・・Aの約5%です。
宝くじより当たる可能性は高い!? でも残りの方は、何らかの障害や病を抱えながら生活する期間が存在することになります。
いわゆる平均寿命と健康でいられる健康寿命は、男女ともに約10年もあると言われています。できれば健康寿命を延ばしたいものですよね?
そんな方は、以下の項目を確認してみてください。
□年代ごとの食べ方を知っている
□周りの人と比べても筋力はしっかりある
□困った時に助けてくれる人がいる
一つも当てはまらない方は、要注意!
毎月このコラムで自分らしく生きるコツを発信したいと思いますので要チェックです。
掛川東病院 院長 医学博士 宮地紘樹